水曜日, 4月 17, 2024

さざなみ・わかしおを総武線経由に戻すことは可能か

房総特急のさざなみとわかしおは現在は京葉線経由だが、もともとは総武線経由だった。房総特急の全盛期にはさざなみ、わかしお、しおさい、あやめの4本で15分ヘッドを構成していたが、成田エクスプレスを30分間隔で走らせるにあたって総武線特急のスジが不足することから、さざなみとわかしおを東京開業後の京葉線経由にした。

しかし今では当時と違って房総特急の本数も両数も激減しているので、総武線のスジに支障しない形で総武線経由に戻すことができれば京葉線のスジに余裕ができて、もしかしたら特急のスジを使って京葉線に通勤快速を復活させることもダイヤ上は可能になるかもしれない。

総武線では15両まで、京葉線では10両(幕張豊砂を除き信号設備上は15両)まで走らせることができるにもかかわらず、現状しおさいは6両、さざなみとわかしおは5両しかなく(現在は暫定的に255系9両が入っているが)、ラッシュ時の貴重なスジを無駄にしている。総武線経由にしてE259系の6両+6両や、E257系の5両+5両+5両で走らせれば、既存のスジの中に収めることができるのではないだろうか。

最大のネックは、千葉駅の手前の黒砂信号場で総武本線と外房線とが分かれることである。そのため、千葉駅で総武線方面と外房線内房線方面とで分割併合できない。津田沼駅で分割併合するとなると、津田沼駅の中線を長時間占有することになるし、津田沼千葉間で快速のスジを圧迫する。

しかししおさいを東金線経由にして誉田で分割併合すれば、しおさいとわかしおとを併結できる。誉田の中線には東金線直通の通勤快速の分割併合のための信号設備があるので、既存の信号設備で分割併合できる。さざなみとわかしおは千葉駅で分割併合できる。蘇我で分割併合する場合には信号設備への投資が必要だし、分割併合のために本線上に長時間停車することも望ましくない。

しおさいが東金線経由になると四街道、佐倉、八街には停車しなくなる。このうち四街道と佐倉は成田エクスプレスでカバーできるが、八街はカバーできない。しかし八街よりも東金の方が大きな町だし、乗降客の多い鎌取や土気に停車することもできる。東金線には6両までしか入れないので255系の9両は入れないが、E259系の6両やE257系の5両なら入れる。しおさいが最大6両になったことで、東金線を経由することが可能になった。

京葉線から特急がいなくなることで空いたスジには通勤快速を復活させることができるかもしれないし、そうでなくても特急待避がなくなることで各駅停車であっても所要時間を短縮できる。

木曜日, 4月 11, 2024

ラッシュ時の京葉線に快速を復活させる方法

平行ダイヤにして全列車の所要時間を平準化して混雑を平準化するのであっても、快速を設定する方法はある。

京葉線の夜下りには特急が30分間隔で走っており、東京駅発毎時25分55分の内房線外房線直通の各駅停車は葛西臨海公園で特急を待避する。これらを快速にして新浦安で特急を待避するようにすれば、東京海浜幕張感で所要時間が7分短くなり、3分ほどの待避時間と合わせて各駅停車よりも4分早い程度になるので、ほぼ平行ダイヤになりかつ所要時間を短縮することができる。同様に、東京駅発毎時12分42分の各駅停車も海浜幕張で特急を待避するが、これも東京駅出発を少し繰り下げて千葉みなとで特急を待避する快速にすれば東京蘇我間での所要時間を短縮できる。快速を復活させてほしいという声を反映させつつ所要時間や運転間隔を平準化できるので、JRにとっても遠方からの乗客や自治体にとってもメリットがありそうである。

毎時20分50分の各駅停車を快速にして海浜幕張待避にすることもできるが、それだと快速が2本連続することになり、快速通過駅の利便性が極端に低下するので快速の運転間隔を分散させる必要がある。葛西臨海公園と新習志野で待避する方がダイヤを組みやすいのだが、快速は快速停車駅でしか特急を待避できない。それに対して各駅停車なら葛西臨海公園や新習志野でも待避できるので、ダイヤ設定の自由度を確保したいなら各駅停車として走らせたいという意向もわからないでもない。一方、JRにとっても列車の所要時間が短い方が車両や乗務員の運用効率が良くなるし電気代も安くなるので、JRだって好き好んで各駅停車を増やしているわけではない。現在のダイヤはJRがいろいろ比較検討した結果である。

わずかに所要時間の短い快速に乗客が集中するのなら、内房線外房線直通を無待避の各駅停車にして、新浦安または千葉みなとで待避する快速は蘇我行にすれば乗車率を平準化できそうである。

この方式にも欠点はある。夜下りの京葉線1時間に8本のうち4本を快速にすると各駅停車が残り4本になり、特に二俣新町、新習志野、幕張豊砂の各駅ではラッシュ時なのに1時間に4本しか停車しないことになる。いずれも乗降客の少ない駅なのでやむなしだろうか(イオンモールの目の前にある幕張豊砂駅は、将来どうなるかわからないが今のところ乗客が極端に少ない)。越中島、潮見、葛西臨海公園、市川塩浜の各駅では武蔵野線直通各駅停車も利用できるので、こちらは列車本数を確保できている。

武蔵野線利用客は新木場からの乗車が多く、越中島と潮見に停車する分にはさほど問題ない。市川塩浜は京葉線から分岐する駅として必ず停車するので、新木場から武蔵野線直通列車に乗る乗客にとっては葛西臨海公園に停車するかどうかの違いでしかない。

特急を待避する各駅停車のみ快速にするというのは、一見すると朝上りにもできそうだが、朝上りの特急はスジを寝かせているので、特急の直前に蘇我駅を出発する各駅停車が海浜幕張で特急を待避した先を快速運転して待避時間を取り戻すのに限られるだろう。7駅通過すれば所要時間を7分短縮できるが、他の列車よりも所要時間が短くなると乗客が集中するので、朝上りの特急と同様にあえてスジを寝かせて無待避の各駅停車と同じ所要時間にすることはありうる。