月曜日, 12月 05, 2011

成田発着のスカイマーク

2011年10月30日から、スカイマークの成田発着便が開設された。当初は札幌行1往復と旭川行2往復での運航だが、2011年12月8日から那覇まで1日2往復、2012年2月1日からは福岡まで1日2往復開設される予定である。

成田発の旭川行は朝と昼と夜、那覇行は昼と夜、札幌行は夕方の運航である。ただし旭川行の成田出発時刻は朝7時半であり、これに間に合うためには幕張ベイタウン発5時53分の朝一番のリムジンバスに乗る必要がある。1本後のバスでも間に合わないこともないが、成田到着が30分前なので、少しでも遅れたら20分前のチェックインの締め切りに間に合わない。

幕張からは羽田でも成田でも距離と所要時間はほぼ同じだが、成田の方が渋滞の影響を受けにくい。車で行くなら成田の方が駐車場が安い。また、羽田よりも成田の国内線ターミナルの方が小規模で空いている。羽田からスカイマークに乗ろうとすると第1ターミナルの外れまでかなり歩く必要があるが、成田ならさほど歩かなくてもよい。なお、成田の国内線のチェックインカウンターは第2ターミナル1階にあり、出口は3階にある。これは国際線との乗り継ぎを考慮した配置になっているためである。そのため、バスで3階に到着したら1階まで降りる必要があるし、飛行機で3階に到着したら1階まで降りる必要がある。車で乗りつけるなら、出発の際は到着階に乗りつければよく、到着の場合には逆に出発階に乗りつければよいので、さほど面倒ではない。

もう1つの利点は、スカイマークは普通運賃でもかなり安いことである。成田から旭川まで普通運賃でも13800円である。搭乗率が80%を越えていればこれくらいの値段でも採算が取れるようである。その代わり採算が取れる便しか運航しないので、常時混雑していると思った方がよい。もっとも、比較的小さい737なので、たとえ満席であっても乗降にはさほど時間がかからない。座席はいくぶん窮屈だが、バスのようなものだと思えばあきらめがつくし、実はJALやANAの737-800も定員はほぼ同じなので、スカイマークだけが狭いわけではない。どのみち乗る時間は2時間以内なので、我慢して寝ていればよい。中途半端な機内サービスはないが、新幹線も同様である。飲み物が欲しければ自分で持ち込めばよいし、機内で音楽を聞きたかったら自分で携帯音楽プレイヤーを持ち込めばよい。その分運賃を安くしてくれる方がありがたい。

なお、羽田発着便と成田発着便とで札幌行や那覇行の運賃を比較してみると、成田発着便の方が3割くらい安い。成田は大半の人にとって遠くて不便なのと、発着コストが安いためだろう。幕張からなら成田の方が羽田よりもやや近いので、それならば安い成田便を利用しない手はない。

スカイマークが成田発着便を開設した背景として考えられるのは、素直に考えれば国際線からの乗り継ぎ便ということになるが、乗り継ぎ便は意外と搭乗率を確保しにくい。おそらく考えられるのは成田発着の国際線の運航の準備である。混雑する空港で新規に発着枠を配分する際には、既得権益に応じて比例配分する。したがって発着枠を増やしたい場合には、最初に取りやすい発着枠を確保の上、採算が悪くても発着の実績を積む必要がある。成田の場合、A380が離着陸できるA滑走路の発着枠は一杯だが、B滑走路の発着枠は余っており、特に国内線向けの発着枠が余っている。これで運航実績を積んでA380で国際線を運航するためにA滑走路の発着枠を取りに行くのだろう。

スカイマークというと不採算だとすぐに撤退するという印象があるが、上記の背景により、成田発着便は当分の間は運航されるのではないだろうか。ただし目的地が同じである保証はない。しかし考え方によっては、スカイマークが少ない便数の中でいろいろな所に飛んでくれるともいえる。旭川便があるうちに旭川に行けばよいし、旭川便が無くなって別の所に飛ぶようになったら、そちらに行ってみるのもよい。

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